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◆蔵元訪問記 「松露酒造」◆

平成15年2月26日に宮崎県串間市にある焼酎蔵「松露酒造」さんに行ってきました。
その時の様子を断片的ではありますが、アップいたしました。バーチャル蔵見をお楽しみ下さい。


 「松露酒造」さんは、宮崎県の最南端・串間(くしま)市にあります。鹿児島との県境の市です。車で数分走れば、そこは太平洋です。とても温暖なところで、町にはフェニックスの木がたくさん植えられていて、まさに南国です。2月だというのにひじょうに暖かなのでビックリしました。

 松露さんへの道程は、ひじょうに困難でした。夜中の1時に当店(北九州市)を出発。九州高速道路から宮崎高速道路の都城ICを降りて、グルグルと曲がりくねった細い山道を、ひたすら2時間も走らなければなりませんでした。山の中では数回、野うさぎが車の前に現れたりもしました。・・・・・やっと串間に着いた時には夜も明けて朝の7時を過ぎていました。そして車中で2時間ほど仮眠をとって、いざ!松露酒造さんへGO!!!!

 国道から少し入った住宅地の中に松露酒造さんがありました。看板も何も出ていないのでちょっと迷ってしまいましたが、蔵の前で専務さんが手を振ってくれたので分かりました。

 朝の10時から最終的には、お昼までご馳走になって、3時間くらい居たでしょうか。現在、松露酒造さんの規模は2,000石強(一升瓶換算で20万本)だそうです。中堅クラスの蔵元さんです。レギュラー商品の「松露」は、他社のものよりも少し高めですが、美味しいからよく売れているそうです。原料となる芋は、地元串間産と鹿児島の志布志町産の良い原料しか使わないそうです。芋焼酎の仕込みは、採れたての芋のある9〜11月までしかしないそうです。また、驚くなかれ、宮崎の殆どの蔵元で焼酎造りに使われている酵母(宮崎酵母)は、この松露さんの蔵付き酵母だそうです。

 少し話はそれますが、矢野専務は福岡の日本酒酒蔵「繁桝・高橋商店」さんと親しくされており、蔵にもしばしば行く事があるそうです。しかし、蔵の中には決して入らないとの事。・・・何故なら焼酎蔵の蔵付きの菌は、日本酒蔵のものに比べて、極めて強いということで、専務の体や衣服には、その菌が染み付いているため、もしその体で、日本酒蔵に入ると日本酒の造りがダメになってしまう恐れがあるそうです。


 向かって左が矢野俊裕専務です。ちなみに右は私(阿波孝浩)です。専門知識のとても豊富な方で、難しい化学記号や数字なんかも会話の中で飛び交いながらも、分かり易く詳しくご説明いただきました。ご趣味はシーカヤックだそうで、近くの海によく行かれるそうです。また魚が好きで、魚の話になると本当に夢中で身を乗り出して話していました。(今回も飲食店「さっとん」の池田氏と一緒に行きました。彼が職業柄、魚のエキスパートですので、専務は興味津々でした。)・・・熊本「桜の里」の松下社長もでしたが、どうして蔵元さんは魚が好きなのでしょう???  ちなみに、コチラは社長のご趣味のバイク。娘さんとよくツーリングに行かれるそうです。

≪いざ、蔵の中へ≫
 さて、まずはこのドラム型の機械の中で原料米の洗いから蒸し、さらには麹を付ける工程が行われます。  次にこの三角の部屋で、温度・湿度がしっかり管理されて、麹米が培養され成長します。

 ここは、酒母室の中です。まずこの小さめのタンク(3t)の中で麹と水を入れて一次仕込みです。芋はまだ入れません。  次に、この大きな部屋で、芋もいれて本格的な仕込み(二次仕込み)が始まります。タンクの大きさも、かなり大きくなります(8.5t)。ちなみに芋焼酎の米麹:芋の割合は、1:5です。

≪蒸留器≫
 この蒸留器には驚きました。もちろん常圧蒸留器です。写真では分かりにくいのですが、特筆すべきは、蒸留釜から出ているパイプがなんと3本あります。この3本で、初留・中垂れ・末垂れを取り分けるのです。(今までに私が見た全ての蔵元の蒸留器は、もちろんパイプは1本しかありません。)
≪井戸水≫
 蔵の敷地内に、焼酎の仕込み&割水として使う昔ながらの井戸がありました。ちょっと飲ませてもらいました。とってもやさしい軟水です。「ひじょうに美味しい水です。」

 ここは元来火山のシラス台地で、そのシラスがフィルターの役目をして、さらにその下の層から水を汲み上げるので、ひじょうに良い水になります。


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