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◆蔵元訪問記 天吹酒造◆

平成18年2月26日に佐賀県北茂安町にある蔵元・天吹酒造さんに行ってきました。
その時の様子を断片的ではありますが、アップいたしました。バーチャル蔵見をお楽しみ下さい。



 当店・酒の阿波屋のある福岡県とは隣の佐賀県に天吹酒造さんはあります。全く場所の見当が付かないので、カーナビの指示通りに進み、約1時間半で到着。「カーナビって素晴らしい。」といつもの如く実感。当日は、一般向けの蔵開きも行われておりました。

 創業後約300年の歴史を持つ老舗の酒蔵さんです。現在は、東京農大を卒業して帰られた御曹司の木下兄弟(二つ違いの兄と弟)が造りと経営に手腕を振るっているとのこと。彼らの持ち帰った技術に「花酵母」があります。現在全国で約30の蔵元が花酵母による酒造りにチャレンジしています。この30の蔵元は、とりあえず商品化はしておりますが、まだまだ実験段階的なもので、これをメインに展開しておりません。しかし、いち早くこの花酵母の素晴らしさを理解し、すぐさま取り入れていったのが、木下兄弟でした。7〜8年前に始まった花酵母仕込みは、少しずつ仕込みタンク数が増え、今では造りの殆どが花酵母によるものになったそうです。これは全国で唯一です。まさにオンリーワンです。次に、天吹酒造さんは清酒だけではなく、焼酎も造っておられます。焼酎は、清酒を搾った後の酒粕を原料にした焼酎がメインです。
≪花酵母とは≫
 普通の酵母と花酵母の違いという視点からお話いたします。
普通の酵母は、現在までどこそこの蔵で発見されたものを、試験管の中で培養して保存してきました。そのためにひじょうに不安定な性質です。そもそも菌なので、変異が起こります。
 それに対して、花酵母とは花の花弁に自然に存在するものです。つまりは野生酵母なのです。簡単に言うと強いのです。

 花酵母で醸した酒の特徴は、まず香りが極めて高い。とってもフルーティーです。次に劣化しにくいんです。よく、お酒は開栓したら早く飲まないと劣化してしまう・・・っていいますよね。もちろん花酵母酒でも劣化しますが、その劣化のスピードはひじょうに遅いんです。もちがいいです。人によっては搾ってすぐに飲むよりも、1年後に飲むと味がのって旨いっていう人もいます。

 天吹酒造さんの正面玄関です。ここにくるまで少々アプローチがあります。例の如く家族3人で訪問。私:阿波タカヒロの嫁と娘です。ちなみに私の娘は4歳にして、もうすでに7〜8つの蔵に行きました。。  玄関の重厚な木製の扉の真ん中にステンドガラスがはめ込まれています。

 蔵の外も中もですが、天吹酒造さんのセンスの良さには、驚きました。まるで美術館のようです。もちろんお酒が素晴らしいのですが、建物や調度品を見るだけでも行ってみるく価値がありますよ。

 中に入ってすぐのところに、試飲ギャラリーがあります。ここでは、有料試飲サービスがあります。なんと赤ワイン用のバルーングラスで飲ませてくれます。この写真では見えませんが、右側が母屋で文化財クラス調度品が飾られています。  清酒蔵です。白壁の美しい蔵です。

 屋根部分の壁に「風神雷神」の彫り物がなされています。  清酒蔵の中です。ひじょうに清潔です。各仕込みタンクにそのスペック(使用米、精米歩合、酵母等)が分かり易く書かれています。

 仕込み蔵から繋がる、酒タンクの「地下貯蔵庫」です。ここで、冷房設備もない時代から、酒は大切に保管されていました。(もちろん現在も使われています。)  「地下貯蔵庫」の中です。タンクがずらーっと並んでいます。ここで熟成され、出荷までの時を待ちます。ここは1年を通して温度がほぼ一定です。なんだかオバケでも出そうで怖かったです。(^O^;

 ここは、焼酎蔵内の甕貯蔵場です。この甕の中に酒粕焼酎が眠っています。静かに熟成しています。  蔵のギャラリー内に歴史を感じさせる素晴らしいお雛様が飾られていました。その前でショット!

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