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◆蔵元訪問記 「あくがれ蒸留所」◆

平成16年11月9日に宮崎県東郷町にある焼酎蔵「あくがれ蒸留所(旧富乃露酒造店)」さんに行ってきました。
その時の様子を断片的ではありますが、アップいたしました。バーチャル蔵見をお楽しみ下さい。


あくがれ蒸留所

≪あくがれ蒸留所(旧富乃露酒造店)とは・・・。≫
 まさに天からのご縁か、2004年からスタートする焼酎蔵元「あくがれ蒸留所(当時は、富乃露酒造店名)」さんとお取引をさせて頂く事になった。現在の法律の枠では新規で蔵元をスタートするというのは、ほぼ100%無理。この当時の「富乃露酒造店」とは、もともと鹿児島の蔵元だったが、長い間休業したままの宙に浮いた状態だった。

≪社長・黒木氏の情熱≫
 宮崎の企業家・黒木氏は常々自分の企業のもう一本の柱としてなんとかして焼酎を造りたいと思っていた。彼は思いの丈を熱く語ってくれた。@「地元の人に本当に愛される焼酎が造りたい!」「例えば出張から帰ってきた時や、久しぶりに宮崎に帰ってきた時に、ひと口飲んで心からほっとするような焼酎を造りたい!」・・・しかし新規蔵元免許は下りない。しかしなんとしてでも・・・。彼は東奔西走しやっとの思いで鹿児島に存在する休業中の焼酎蔵の話にまでこぎつけた。だがしかし、鹿児島県→宮崎県(県をまたいでの)移転はまず無理。これを覆したのが、彼の先代の人脈と信用。さらにそれ以上に彼自身の情熱だったことは間違えない!

 数行の箇条書きで書くと短いが、本当にやっとの思いで宮崎県東郷町に「富乃露酒造店」が誕生した。まさに快挙である。

 この黒木氏の片腕として稲田氏が蔵の統括者として任命される。稲田氏もこの移転までのプロセスにおいて、黒木社長とともにひじょうに尽力されたひとりである。ちなみに稲田さんは私と同い年。仕事中は真剣そのものだが、いったん外に出るとそれはそれは楽しい方です。(^v^)

≪若き杜氏の入蔵≫
 残された仕事は、もっとも重要なもの。それはいったい誰が焼酎を造るかだ!まさに運命の巡り会わせか30代前半の若き杜氏・高妻 淑三氏が蔵入りすることとなる。高妻氏は大学で醸造学を学び、超優良蔵元2社で修行を積む。その中で彼は持ち前の才能と努力でメキメキと頭角を現していく。今や焼酎業界もニューリーダー到来の時代。彼よりも早く杜氏となってニューリーダーとして焼酎を造っている同年代の杜氏達で彼の名前を知らない人はいない。@「高妻さんが造るんだったら、それはそれはすごい焼酎が出来ますよ」と、口々に語ってくれる。

≪高妻氏の目指す焼酎≫
 まだまだ蔵も建っていない今年の春に高妻さんと稲田さんにわざわざ当店までお越し頂いたことがあった。その時に高妻さん自分の造る焼酎像について語ってくれた事があった。もうすでに自らが造る焼酎のイメージが出来上がっていた。
@高妻杜氏「僕の造る焼酎は、おそらくキレイなものになると思いますよ。」

≪蔵を訪問≫
 今年の7月に建設中の蔵を訪問した。まだ骨組みだけしか出来ていなかった。蔵は耳川という宮崎屈指の清流沿いに建てられ、その伏流水を地下ポンプで汲み上げる。超軟水の素晴らしい水だ。近隣にある芋畑にも案内してもらった。高妻さんも自ら植えたという芋畑。

 そして11月に再度訪問。そこには目を見張るほどの素晴らしい蔵が完成していた。蔵の中も隅々まで稲田さんに案内してもらった。杜氏の高妻さんと技術者でもある稲田さん(自らドラム《米を蒸す機械》を設計した経験も有り)のアイデア満載の蔵は、まさにこれからの焼酎蔵を予感させるものだった。

≪高妻氏の焼酎を口にする≫
 そして待ちに待った第1号の高妻杜氏の造った焼酎の原酒が目の前に運ばれてきた。立ち香は比較的穏やか。やさしい感じ。いよいよ口に含む。ふわーっとやわらかい。やさしくキレイ。実に美味しい。ここで高妻杜氏が春に言った言葉を思い出した。なんと言ったとおりの味だ!


 これがあくがれ蒸留所(当時の富乃露酒造店)の全貌です。外観から一見すると、かなり大きな建物のようです。しかし中に入るとけっこう小じんまりとして、コンパクトに出来ています。)  これは7月に訪問したときの建設中の蔵です。

 蔵の玄関の前でツーショット!
右が稲田さん。左は私(阿波タカヒロ)
 ここは蔵から車で数分のところにある契約栽培の芋畑です。

 これは芋の写真のアップです。ちなみにこの芋は「大地の夢」という品種です。この「大地の夢」とは焼酎用として新しく開発された品種です。

 あくがれ蒸留所のレギュラー銘柄「日向あくがれ」は「黄金千貫」で造られます。この「大地の夢」を使用した焼酎は貯蔵され数年後の発売予定です。実に楽しみですねぇ。
≪さて、いよいよ蔵の中に入ります≫


 ここは、原料の芋の洗い場です。ひじょうに清潔です。清掃が行き届いています。

 ここは、蔵の2階にある「研究室」です。
実験用・研究用のビーカーやフラスコなど様々な器具を発見。さすが大学で醸造学を学び、さらに広島の醸造試験場で学んだ高妻杜氏です。手造りの技とさらに科学的な裏付けを要する。まさにニューリーダーの焼酎造りです。
 これはドラム(米を蒸す機械)です。ほとんどの焼酎の蔵元は河内式製麹機・ドラムというのを設置しておりますが、富乃露酒造では今回、高妻氏の意向でオリジナルで設計&製作されたそうでう。

ここは、1階にある麹室(こうじむろ・又はこうじしつ)です。2階のドラムで蒸された米が送られてきます。  麹室の内部です。これは通称三角棚と言われるもので、この中で蒸された米に麹菌が掛けられ、米麹を生育します。

≪一次仕込み≫
 甕が地中に埋められています。あくがれ蒸留所の仕込みは一次仕込みは甕で行われます。(二次仕込みはタンクです。)
 一次もろみの発酵中です。

≪二次仕込み≫
 一次仕込みの次が二次仕込みです。ここでタンクへと移されます。タンクは大きなものとなります。量も一気に増えます。
 タンクのアップです。もろみの発酵途中です。きれいな黄金色をしています。これは黄金千貫を使用した「日向あくがれ」のもろみです。
 もろみの香りを嗅いでビックリしました。私は造りの最中の蔵元に行くと必ずもろみの香りを嗅ぎます。芋焼酎の場合どの蔵元のどの芋焼酎のもろみもフルーティーで爽やかな香りがします。ところがこの富乃露さんのもろみには、今までに嗅いだことのない不思議な香りがプラスされていました。それは甘い香りです。まるでバームクーヘンのような甘い香りがミックスされているのです。実はこの香りは蔵に入った時点から感じていました。それはもろみの香りだったのです。


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